国際教養コースが入学オリエンテーション後に向かったのは、別府の山の上に広がる国際大学「APU(立命館アジア太平洋大学)」。
「EXPLORE ILA in APU」――これが、1泊2日の研修プログラムの名前です。
“EXPLORE”。
それは単なる英単語ではなく、国際教養コースの生徒たちにこれから大切にしてほしい価値観を込めた言葉となっています。
Engage with new ideas(新しい考えに関わる)
Xpand (expand) your perspective(視野を広げる)
Push your limits(限界を押し広げる)
Listen & learn(聞いて学ぶ)
Overcome fears(恐れを克服する)
Reflect & grow(振り返り、成長する)
Embrace diversity(多様性を受け入れる)
すべての頭文字を集めた「EXPLORE」に生徒たちは少し戸惑いながらも、心をひらいていこうとしていました。
1日目。
生徒たちはAPUの学生たちと共に、異文化理解や多文化共生について学ぶワークに取り組みました。
違いを「面白い」と思う気持ちと、「どう受け止めていいかわからない」と戸惑う気持ち。どちらも正直な心の声で、理解しようとすることの難しさと向き合う時間でもありました。
夜には、生徒と教員とで対話の時間が作られました。
「なぜ自分はこのILAに入ったのか?」「将来、何をしたいのか?」
仲間と語り合いながら、それぞれの思いを少しずつ言葉にしていく中で、うまく言えないこともあった様子。でも生徒たちが確かに感じたのは、「私はここにいていい」という感覚。
「誰もが意味のある存在であり、それぞれの形でこのコミュニティに貢献できる」そんな思いが胸に灯った夜となりました。
2日目。
朝から、生徒たちが企画した交流イベントが始まりました。相手はAPUの国際学生。
準備の段階では戸惑いや不安も多かったようですが、いざ始まると、自然と笑顔あふれる時間を過ごすことができました。
言葉の壁を越え、思いを伝えようとする姿勢が、心と心をつないでいったのです。
午後には、「世界が100人の村だったら」をテーマにしたワークショップを実施。国際生とともに世界の不均衡や多様性について考え、感じることができました。
数字の裏にある現実に、静かに心が揺れた、そんな時間でした。
あっという間の2日間。
帰りのバスには、眠そうなまなざし、でもどこか誇らしげな表情をした生徒たちの姿がありました。
自分の中の「できなさ」と「できたこと」。その両方を抱えて、それでも前を向こうとする姿に、確かな成長の芽が見えていました。
可能性と、課題と、ほんの少しの疲れと、たくさんの充実感。
生徒たちの「EXPLORE」は、ここから始まります。